西暦前5世紀頃、ブッダとなって仏教教団を誕生させたガウタマ・シッダールタ(釈尊)は、およそ45年をかけて、当時のインド社会、とくにガンジス川中流域を中心にその思想を広く説きました。釈尊の話を聞いて弟子となった人々は、バラモン、クシャトリア、名の知れた異教徒、資産家、理髪師、芸妓などその社会的立場や背景はさまざまです。のちに比丘・比丘尼、あるいは在家信者となった彼らの葛藤や活き活きとした姿は、仏教経典の中に物語となって伝えられました。
 今回の展覧会では、釈尊の生涯の物語に頻繁に登場する“仏弟子”に焦点をあてます。釈尊を支え最も活躍した10人の直弟子(十大弟子)、釈尊の涅槃の時に「教えを護るためにおまえたちは滅してはいけない」と後を任された16人の高弟(十六羅漢)をはじめとする出家者、維摩居士に代表される在家信者などの姿を、インド・東南アジア・チベット・中国・朝鮮半島・日本で表された絵画や彫刻で紹介するとともに、仏教経典に基づき彼らの特徴的なエピソードやそれぞれの個性にも注目します。
 本講座では、同展を観覧するとともに、釈尊の生涯の物語に登場する仏弟子たちについて、わかりやすく紹介いたします。